昨夜は快適な寝床を手に入れることができました。
寝不足だったこともあり、食事後は風呂探しもせず就寝。朝までグッスリです。

野宿遍路は地域の方に自己開示しましょう

突然ですが、早朝にこんな出来事があったので、ここまでの旅で感じた思いを残しておきます。

昨夜は三島公園の四阿にテント設営
昨夜は三島公園の四阿にテント設営

朝はラジオ体操の元気な声で目覚めましたが、夢うつつ状態でぼんやりしていました。
するとラジオ体操を終えたと思われる集団の声がどんどん近づいくるではありませんか。

どうやら体操後の散歩コースになっているようで、テントのそばを通るときに「あぁお遍路さんかー」といった声が聞こえてきます。
公園内にカブとテントがあるので不審だったのでしょう、遍路だとわかると安心していたようです。
0日目の記事・・・一般人の感覚だった頃にも書きましたが、夜中に野宿民に出会ったらチビリます。野宿民は不審者そのものですから、地域の方が警戒するのもよーくわかります。むしろ当然ですね。

今回はカブに取り付けていた山谷袋の「同行二人」と菅笠が功を奏しました。
やはり野宿する際には、やはり不信感を与えないように自己開示を充分にすることが大切ですね。

また、積極的に話しかけて自己開示するのも大切だと思います。
今回はぼーっとしていたのでコミュニケーションが取れませんでしたが、顔を見せて、素性を伝えることでより深く安心して頂けます。

「おはようございます!」と精一杯爽やかに見えるであろう笑顔をひねり出してご挨拶し「お遍路をしている者ですが、こちらで野宿させて頂きました(ニッコリ)」みたいに先制攻撃で自己開示しておけば自然と「そうかねーご苦労さん!どっから来なすった?」みたいに、友好的な対応をしてくださる方(早朝はお爺ちゃんお婆ちゃんばかり)でしたよ。

地域の理解あっての野宿ですので、後に続く方のためにもそのあたりはしっかりしておきたいところですなー。

本日の動き

今日は66番札所の雲辺寺攻略がメインになりそうです。
四国八十八ヶ所霊場で最も高い標高に鎮座する雲辺寺。雲の辺りにある寺ですもの、そりゃ心してかからないと返り討ちにあっちゃいます。
雲辺寺以降は回れる範囲でしっかり回ろうと思っています。

・・・毎度のことながら、ほぼノープランです。

幸いなことに今日は日差しもあり暖かい1日になりそう。標高の高い場所に向かう僕には願ってもない好天です。

ゴミと洗濯物を括り付けてます
ゴミと洗濯物を括り付けてます

靴下を石鹸で洗い、前カゴに工作用ピンチでしっかりと留めて走行風で乾かす・・・それが僕のスタイルです。みっともない?この旅ではそれがいいw

ゴミもしっかり括り付けてから行動開始!

66番札所 雲辺寺

雲辺寺への道中

四国中央市から三好市へ
四国中央市から三好市へ

雲辺寺は香川最初の霊場になるのですが、境内の中に香川と徳島の県境がある激レアなお寺です。

また、アプローチ方法により、経由する県も変わるんです。雲辺寺ロープウェイで参拝する人は香川県観音寺市から、車やバイクで参拝する人は徳島県三好市からアクセスすることになります。

僕はもちろんカブさんで攻めますので、国道192号線から三好市へ。

田舎道は最高!
田舎道は最高!

国道といっても、交通量の少ない田舎ののんびりした道でした。県境付近はやや強めの勾配でしたが、重量カブでも何とかクリア。その後はののほーんと気楽に走れる田舎道。この開放感、たまらないです!たのしいー

そして雲辺寺への山道にさしかかると・・・


しょっぱなから厳しい登坂が待ち受けていて、あっけなく熱ダレ。
道が広いので後続車のスピードが速くて怖いし・・・/(^o^)\ナンテコッタイ

崖の上にお堂が
崖の上にお堂が

熱ダレ休憩した地点から少し進んだ先には小さなお堂がありました。

落裏大師堂とな?
落裏大師堂とな?

落裏?どういう意味なんでしょうねー
謎を残しつつ大師堂を後にします。

まだまだ登坂は続きそう・・・
まだまだ登坂は続きそう・・・

さすが標高911m・・・これは長い戦いになりそうですなぁ(遠い目)

山登りルートの半分を消化
山登りルートの半分を消化

景色が開けたので立ち止まって位置を確認したところ、このあたりで約半分。まだ高いところにいくのか・・・

行程の半ばからはずいぶんとなだらか
行程の半ばからはずいぶんとなだらか

どうやら序盤の登坂がキツく、中盤~後半は傾斜はゆるゆるのようです。
前半1/4を耐えて進むとスイスイ進めるようになりました。

ラスト2kmで襲いかかる急坂
ラスト2kmで襲いかかる急坂

やはり標高ナンバーワンは伊達じゃない!というか山寺はこのパターンが多いですね。

カブさんお疲れ様です(深々)
カブさんお疲れ様です(深々)

長距離登坂で弱ったエンジンに止めを刺されそうになりますが、気合の二足二輪走法で何とか走破することができました。いやマジでよく頑張ってくれました!

雲辺寺 参道

長い参道を歩きます
長い参道を歩きます

駐車場から4~500メートル歩くことになりますが、坂はなくフラットで歩きやすい道でした。

檻のようですな・・・
檻のようですな・・・

こいつは斬新ダァ!

石段の途中に祭壇?激レアっすねー
石段の途中に祭壇?激レアっすねー

なになに?何を祀ってるの?

亀山天皇の御陵
亀山天皇の御陵

鎌倉時代の天皇が祀られているようです。

ここに祀られてるのかな
ここに祀られてるのかな

ここには遺髪が納めてあるとかいないとか。
亀山御陵から階段を降りずに進んでいくと、徐々に下って行くわけですが・・・

この子めっちゃ怖かった・・・
この子めっちゃ怖かった・・・

下には犬小屋が出現。大きなシェパードさんが鎮座しておられます。
おーっでっかいなキミ!と思いながら進んでいくと、彼はいきなり立ち上がりけたたましく吠え立てます。そらもう凄まじい迫力!檻が倒れるんじゃないかというくらいに暴れておいででした。

下のルートに戻ると注意書きが
下のルートに戻ると注意書きが

御陵から進むとわかんねーよ(涙目)
というわけで、決して番犬には近づかないようにしましょうね!あの人マジ怖いから・・・
そして御陵からのルートにも注意書きを用意してくだされ!

トラップにハマり憤慨しながら進む
トラップにハマり憤慨しながら進む

べっ、べつにお城っぽい境内なんて見てもテンションなんか上がらないんだからね(ワクワク)

雲辺寺

66番札所 雲辺寺
66番札所 雲辺寺

参道も長かったのですが、それ以上に広大な敷地を持つお寺です。山岳霊場最大ですねこりゃ。

仁王門向かいの通夜堂内
仁王門向かいの通夜堂内

通夜堂の中をチェックしてびっくり。なんと内部に樹の幹がででんと居座っているんです。
どうなってだ?

こうなってだ
こうなってだ

どうしてこうなったのか分かりませんが、屋根を突き破った巨木が今も元気に葉を茂らせています。

五百羅漢像
五百羅漢像

でででデタ━━━゚(∀)゚━━━!!
500体の羅漢さんが思い思いのポージングで歓迎してくれてます。ここのはちょっとリアリティ高め。

大師堂
大師堂

旧大師堂、たぶん
旧大師堂、たぶん

本堂の裏手の高台に、現行の大師堂とは異なる大師堂がありました。

水堂
水堂

水堂とはまた珍しい。なんでもお大師様自ら掘った井戸の名水で、ぐびっと飲むのだそうです。

毘沙門天展望館
毘沙門天展望館

巨大な毘沙門天が塔の上に立ってます。

内部の様子
内部の様子

1階は休憩スペース。そこから螺旋階段ならぬ螺旋の坂道をぐるぐる回って屋上に進みます。

霊場の切り絵えがった!
霊場の切り絵えがった!

螺旋の壁には88霊場すべての切り絵があり、これがまたいい感じでございました。1階で販売してたら買ってたな・・・

展望台は360度見渡せる絶景スポット
展望台は360度見渡せる絶景スポット

ココ凄いですよ!高知、松山、福山、徳島、高松あらゆる方面を眺めることができます。

雲辺寺ロープウェイ

雲辺寺ロープウェイ 山頂駅
雲辺寺ロープウェイ 山頂駅

このロープウェイも気になる・・・乗らないから余計に気になる・・・

雲辺寺ロープウェイは、全長約2,600m、山麓駅から山頂駅の高低差約660mを毎秒10mというスピードで山頂に到着する日本最大級の規模を誇るロープウェイです。

ということで潜入
ということで潜入
ロープウェイ乗り場
ロープウェイ乗り場
こんなルートなんですねー
こんなルートなんですねー

香川と徳島の県境
香川と徳島の県境

ロープウェイ駅の前に県境を示す埋込発見。激レアです。

雲辺寺は周辺にロープウェイ駅やらスキー場やら色々とありますので、色々と混ざってしまった観光寺って感じでした。見どころはたくさんあるのでじっくり時間をとって参拝したいお寺です。

六地蔵峠の山下り

広大な敷地を持つ雲辺寺で何だかんだで時間をたっぷり使って楽しんだ上に、納経軸を忘れるという失態を犯しタイムロスしてしまいました。急ぐぞー!

行きとは別のルートで香川入りすべく進行
行きとは別のルートで香川入りすべく進行

通常は県道6号線を下って国道32号線に合流し北上していきます。

近道発見!
近道発見!

ちょっと険しそうな林道ですが、地図を見る限り大幅にショートカットできそうです。
時間に追われる現代人の僕、迷わずこちらをチョイス!

エキスパートモードな酷道
エキスパートモードな酷道

進むに連れて道は荒れ果てていきます。
ひび割れ、凹凸、小石の散乱、結構大きな石も転がっている状態。もうダートですよ。
こちらは重積載のカブ。小石を踏んだら命取りですので、細心の注意を払い走行します。

ホント怖かった・・・

でも景色は最高
でも景色は最高

濃厚な自然と田畑が調和する風景に癒されました。好きだわーこんな風景!

石造六地蔵菩薩
石造六地蔵菩薩

鬱蒼とした森の間を走行中にこんな祠を見つけました。
薄暗い木々の合間から顔を出したコレ・・・あかんやつやない?

その昔、讃岐国山本郷から阿波国白地へ越える唯一の峠道として、寛永年間以前から開かれていた六地蔵峠。頂上には一枚の石板に六体の地蔵を刻んだ珍しい六地蔵があります。
悪魔や悲しみをこの峠で「遮って」もらおうという信仰から、江戸時代に峠の頂上の「猿の額(ふたい)」に建てられたものが、昭和45年の県道拡張工事の際に現在地に移設されました。

左が六地蔵らしい
左が六地蔵らしい

このお地蔵様が悪魔や悲しみを遮ってくれているのか・・・
ってことは、この近辺には悪魔や悲しみが停滞しているってことじゃないですかヤダー

陰鬱な森との相乗効果でバイクから下りること無くそそくさと立ち去ります。

・・・あの、今じっくり写真を見ていて気づいたのですが、右のお地蔵様の後ろ・・・・・・

超怖いんですけどwwwうえっうえっwwww

リフレッシュ!!!
リフレッシュ!!!

美しい風景で心身を浄化し、酷道をどんどん進みます。

薬師峠・・・恐ろしい相手だった
薬師峠・・・恐ろしい相手だった

ひやっとするシーンもありましたが、何とか無事に下界に戻ることができました。
ここからは香川の地を走り回りますよー!

67番札所 大興寺

67番札所 大興寺
67番札所 大興寺

峠越えショートカットが功を奏し、予想時間より早く到着しました。

のどかな田園地帯にぽつんとあるお寺
のどかな田園地帯にぽつんとあるお寺

まわりは田んぼばかり。あぜ道のお地蔵様がいい味出しまくりです。

運慶作と言われる仁王様
運慶作と言われる仁王様

鎌倉時代に刻まれた仁王像で、日本史の教科書に必ず出てくる「運慶」さんの作品だそうです。
さらに霊場最大の3m超えというサイズ!鎌倉時代の財と技を凝縮させた貴重な仁王さんですね。

吽形はちょっとグラビアっぽいポージング
吽形はちょっとグラビアっぽいポージング

鎌倉時代のマッチョポーズは現代のグラビアポーズに進化したんですねわかります。

樹齢1200年のカヤ
樹齢1200年のカヤ

境内に入ってすぐに巨木と遭遇。弘法大師が植えたというカヤ、デカすぎて写真に収まりません!
またもう少し進むとクスの巨木もありました。
ちなみに案内板には小松尾寺という記載がありますが、これは大興寺の山号にちなんだ愛称みたいなものらしいです。

本堂と三鈷の松
本堂と三鈷の松

本堂の前にある松は「三鈷の松」と呼ばれているそうです。
松の葉を持っていると幸せになれるといわれ、お守りにする人も多いとか。

本堂
本堂

右手側に見える赤いろうそく、これは「七日燈明」といって、ろうそくに願い事を書いて奉納すると、七日間灯して祈願してくれます。病気平癒・安産・良縁・離縁・断酒・賭け事断ちにご利益があるとか。
左手側は住職さんかな?納経をしていただけます。

大師堂
大師堂

本堂と大師堂を結ぶ廊下
本堂と大師堂を結ぶ廊下

あら^~いいですね~

天台宗の天台大師堂
天台宗の天台大師堂

空海は真言宗なのですが、なぜか天台宗の最澄も祀ってあります。SSレアの珍妙さですよこれは。

天台宗と真言宗、両方の修行場として栄えたという大興寺。当時の賑やかさはありませんが、その風情は今も残っているように思います。好きな感じのお寺でした。

今夜はキャンプよ

まだ16時過ぎで時間はあるのですが参拝を終了し、今夜の寝床を探すことにします。
秋冬は17時過ぎたら加速度的に暗くなるので、このくらいの時間帯には目星をつけておかないと!
闇夜で寝床探しは精神力がゴリゴリ削がれていくんですよね。

一の宮公園内キャンプ場に宿泊決定
一の宮公園内キャンプ場に宿泊決定

お遍路旅始まって以来の有料野営場所。公園等の野宿と違って、安心安全度が格段に高いわけです。
それもわずか100円というリーズナブルなキャンプ場でした。

調理場も完備
調理場も完備
キャンプ場から徒歩3分で海辺に
キャンプ場から徒歩3分で海辺に

見取り図
見取り図

100円でこのクオリティ・・・もうほんと超おすすめです。一の宮公園内キャンプ場最高や!

憧れのキャンプ焼肉を遂行

誰しも憧れるであろうキャンプ肉
誰しも憧れるであろうキャンプ肉

キャンプ場に宿泊したらおもいっきり火を使っても大丈夫ですので、すぐ近くのマルナカ豊浜店で肉を大量購入し焼肉にチャレンジ!

はい、めちゃくちゃ美味しかったです。
お肉って、栄養価がどうこうでなく、食べると元気になる。こういった効能があると思うんですよ僕は。
野菜や穀物では得られない生体エネルギーを充電できる・・・そう感じます。

しかし肉って案外食べられないですね。楽勝かと思えた量を大量に残して明日の食料とします。
ただ問題が一つ。しばらく肉食べたくない・・・

食後は上級睡魔に襲われラリホーマを喰らいましたがコレに耐え、温泉に行くことができました。
さすがの僕でも3日入らないのは精神汚染が始まりますからねー。

快適な寝床&肉の補給&クリーンな身体で明日の活動エネルギーを生産すべくさっさと眠りにつきました。

投稿者 ホンダ芭蕉

四国は高知、車社会の片田舎で訳あって原付バイクだけで暮らしてます。 カブ生活の魅力と困難、ふらりと立ち寄った寺社仏閣や田舎の癒しスポットなどをご紹介します。