ついに四国八十八箇所霊場の一つ、第三十六番札所の青龍寺にカブツー参拝して参りました。高知に住んで18年、ようやくバイクでお遍路スタートです。
記念すべき最初のお寺は、高知県土佐市の横浪半島に位置する青龍寺。
第36番札所「青龍寺」
札所 | 四国八十八箇所36番 |
正式名 | 独鈷山 伊舎那院 青龍寺(とっこうざん いしゃないん しょうりゅうじ) |
別称 | 波切不動 |
所在地 | 高知県土佐市宇佐町龍旧寺山601 |
本尊 | 波切不動明王 |
創建年 | (伝)弘仁6年(815年) |
本尊真言 | のうまくさんまんだ ばざらだん せんだ まかろしゃだ そわたや うんたらた かんまん |
ご詠歌 | わずかなる 泉に棲める 青龍は 仏法守護の 誓ひとぞきく |
歴史・由来(意訳)
恵果「空海に真言密教の奥義を伝授するぞ」
空海「恩に報いるため日本にお寺を建てますー」
空海「恵果先生に縁のある地に届けー」独鈷杵ポイー独鈷杵は紫雲に包まれて空高く飛び去る。
空海「この辺りに独鈷杵を感じる」キョロキョロ
空海「ここに先生のお寺と同じ名前の寺を建てよう」
というわけでこの青龍寺、弘法大師が唐の長安で密教を学んだお寺と同じ名前なんですよね。
お遍路最初の一歩としてはおあつらえ向き!
では行ってまいります。
青龍寺への道中
この景色がめちゃくちゃ綺麗なんですよねー。
横浪半島は、青龍寺だけでなく横浪黒潮ラインからの絶景や明徳義塾、土佐の宮島と呼ばれる鳴無神社など色々な観光?スポットがあるんですよ。
同じお寺に向かっているこの連帯感・・・フォー!!
バイクも日差しとエンジン熱で暑いけど、歩きはこの比ではありませんね。
炎天下の中お疲れ様です!と心でつぶやき追い越していきます。
聖地に近づき、どんどん霊圧が高まっていきます。
青龍寺到着
駐車場からは客殿と二重塔が見えます。これだけですでに圧倒される・・・
小心者のパワーを遺憾なく発揮し、カブとの写真を撮りそこねたぜ・・・
青龍寺の文化財
四国霊場第三十六番の札所青龍寺は、独鈷山伊舎那院青柳寺といい、本堂は空海作といわれる波切不動尊で、世に「竜のお不動さん」とよばれています。
この寺には、愛染明王(重要文化財)、空海筆の青龍寺の額、井尻八人衆記録、二代目土佐藩主 山内忠義公来山記等の文化財があります。
ほうほう、なかなか良いブツが揃っていますね。楽しみです!
左手にちらっと見えているのが納経所です。
改めて思う、ここは青龍寺。竜の寺・・・ドラゴンテンプルなのだと!
ドラゴンといえば紫龍かボールかクエストですが、クエストが一番近い雰囲気です。竜のほこらとかありそうですやん。
この手水、江戸時代の弘化4年ごろに寄進されたものらしいです。1847年ごろかな?
弘化の時代って1844年から1847年までらしいので、レアな時代のものなんですね。
青龍寺 恵果堂
納経所に隣接する小さなお堂、これは恵果(えか)堂といいます。
遣唐使一行に混じって中国に渡った無名の空海。彼の能力を見抜き密教を教えたのが長安青龍寺の恵果和尚なんです。
弘法大師のお師匠様をお祭りしているとか、このお寺すごくないですか?
ここで時を告げる鐘を突くんですね。
ほう、なんかスゴイ。
寺社仏閣の表札を扁額(へんがく)というそうです。明朝体で書かれているイメージが強いのですが、さすが青龍寺!
逆光で見づらいですが、鮮やかな朱塗りの二重塔です。
ところで、護摩(ごま)ってたまに聞きますが、どういうことなの?
護摩(ごま)
護摩の炉に細長く切った薪木を入れて燃やし、炉中に種々の供物を投げ入れ(護摩焚き)、火の神が煙とともに供物を天上に運び、天の恩寵にあずかろうとする素朴な信仰から生まれたもの。火の中を清浄の場として仏を観想する。
聖なる火にお祈りする感じなんですね。
客殿というのは、来客を接待するための場所のようです。とりあえず一般人には関係なさそう。
護摩堂から上に登ると鳥居&朱色の建物が。
デカイです。下の護摩堂もそうでしたが割と新しい建物かな?
三重塔の足元、写真右下に石碑がありますね。
大海に あまねき護り 独鈷山 峰にそびゆる宝塔の尊し
もしかしたら「三重塔スゲー!!」を句にしたらこんな風になるのかな。
三重塔サイドからアプローチすると、山門の脇にたどり着きます。
山門には、山号とよばれるお寺の称号が取り付けられています。
逆に言うと、山号がついている門が山門なんですね。
というかこれってただの門ですよね?なぜにこんなにカッコイイの??
KOEEEE!!
門の左右には阿吽の仁王像が。それで仁王門っていうのか。
にしても右の仁王様は目がギラついててチビリました・・・
ぬわー!なかなかハードな道のりですな・・・
仁王門の先にも170段の石段が続くんじゃよ
そうですかそうですか。気合を入れなおさないと!
仁王門から少し歩くと左手に行場(ぎょうば)と呼ばれる修行の場所が見えます。
これに打たれて修行するのかな。
写真ではショボく見えますが、結構な水圧です。地味にきつそう。
ここからしばらく進んで階段の中腹に到着。
このお寺では日常会話レベルで「竜がどうのこうの」みたいな話をしてるんでしょうね。
神話と融合して現在に至るってよく考えたらスゴイことじゃないでしょうか。
七福神の紅一点である弁財天は音楽、弁舌、財富、知恵、延寿を司る女神と言われているそうです。小さな堀の中にある岩の上にお堂が建っていました。
こちらからも本堂へ行けるのかな?
ふひ~
ふひ~
ついたー
青龍寺 本堂
おおっ、風格ある本堂です!
うーん、さすが四国を代表する霊場。素敵です!
ところで右側に写っている波切不動さん、本尊の波切不動明王を模して作られたそうですが、波切不動明王には弘法大師を救った謂れがありました。
空海「唐まで船旅やで」
空海「暴風雨に見舞われ絶体絶命笑えない」
不動明王「俺に任せろー!」(波を剣でスパー)
空海「像作らなきゃ」(使命感)
ということで、現れた不動明王の姿を刻んだものがご本尊。
この不動明王像の碑文には昭和16年に須崎町(現須崎市)の方が寄贈したことが刻まれています。ありがたいことです。
なお、波を切ったと言われるこの神剣は三鈷剣(さんこけん)とか倶利伽羅剣(くりからけん)と呼ばれます。ウッ・・・厨二心が・・・
ほえー色々なかたちで現存しているんですね。
チラ見すると海での安全を祈願しているっぽいです。
この辺りは漁港や海のレジャー施設ばかりですので納得。
青龍寺 大師堂
ここは弘法大師を祀っています。
四国八十八箇所のお寺には、この大師堂が必ずあるそうですよ。
薬師堂
本堂の右隣にはこじんまりとした薬師如来を祀るお堂がありました。
薬師如来は病気を癒してくれる仏様だそうです。
白山神社
薬師堂のさらに右、境内のすみにひっそりと立つ神社。
鳥居や扁額がかなり風化しているので、青龍寺と共に歴史のある神社なのでしょうね。
これ!狛犬のコマさんが前掛けしているのってめっさカワイイですねー!
なんだか飼い慣らされている感があり微笑ましいわー
よし、犬を飼うことがあれば前掛けをさせよう!
この並び、長安の青龍寺と同じ配置なのだそうです。恵果先生への想いが伝わってきますね。
法螺貝を吹く方に遭遇
これはスゲーと思いご挨拶したところ、僧職ではないそうですが若い頃から色々な修行をされているそうで、漢方にも精通されているもよう。また、霊能力的なものも持たれているそうで、過去色々と力を発揮したとのこと。
ほほう、仙人みたいなじっちゃまや。
爺ちゃんになってパワーも気力も薄れてきたそうですが、前述の行場で滝に打たれる修行を毎日のようにされているそうです。
法螺貝仙人
不思議なお爺ちゃんの話を聞きながらなんとなくそんな言葉が浮かんできました。
この名物仙人に参拝中に会えたらラッキーなのかもしれませんね。
奥の院にも参拝してきました
【カブでお遍路】第36番札所青龍寺奥の院「独鈷山不動堂」 – 大師が投げた独鈷杵が刺さった約束の地
おまけ1
ついでに宇佐大橋の下に寄ってみてください。海の向こうに森があるリアス式の不思議な内湾、浦ノ内湾の風景を楽しめますよ!
» [カブでプチツー]バイクのみが楽しめる浦ノ内湾の風景
» [カブでプチツー]土佐市と須崎市の市境、県道23号は浦ノ内湾を楽しめるワインディングロード
おまけ2
土佐市の県道を通過中に、バイクの神様に出会いました!
気になる方はこちらからどうぞ。
【カブでお遍路】バイク乗り参拝必至!「青龍寺」道中に交通安全バイカー神発見!