スーパーカブ50で行く四国一周お遍路の旅を終えて早2ヶ月が経過しようとしています。
この遍路旅では出費を抑えるため、超絶インドア人間の僕が数回の野営訓練を経て野宿を敢行しました。
去年の僕に言ったら助走つけて殴られるレベルの無茶振りでしたが、人間なんとかなるものです。
そもそも宿代ってシャレにならなくて、民宿素泊まりでも一泊3000円以上飛んで行きます。これって1日の出費の大半を占めちゃうんですよね・・・。
野営をしたお陰で宿泊費を大幅に削ることができ、旅費10万円で20日間の旅をすることができました。
その強烈な体験や記憶が曖昧にならないうちに、バイク遍路の僕が素人なりに感じた野営における注意点をを同じく初心者さん向けに遺しておきたいと思います。
野営時に気をつけるべき点
①明るいうちに野営地の下見をしておく
これは野営経験値の少ない人にとっては最重要かもしれません。僕はお遍路出発前に明かり一つ無いキャンプ場でテント設営をこなし、わりと自信を持って出発しました。
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しかし、闇夜でテントを張れるスキルと闇夜で野営地を探すスキルは全くの別物。安心安全な場所なのか見極める力を磨いていなかった僕は半泣き状態で野営場所を探したものです(遠い目)
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野営場所は明るいうちに目視確認。どこにテントを設営するか決めておきましょう。
ということで、必然的に夜のうちに距離を稼ごうとしない、移動は朝、といった行動パターンになります。
安全に眠れる場所を確保するのが最重要で、距離を稼ぎたければ早起きして明け方に移動するのが安全です。
②野宿よりもキャンプ場へ泊まろう
その辺の公園に泊まるより無料、有料問わずキャンプ場に宿泊するのがオススメ。タイトルと矛盾する気もしますが、夜安心して寝られるのは何事にも代えがたい最重要事項です。
機動力のあるチャリンコやバイクの方はできるだけ野宿を避けるのがよろしいかと思います。
歩き遍路さんは野宿してるじゃん!と思うかもしれませんが、彼らは最悪の事態を考慮し覚悟していました。
そこまで覚悟していない僕は、野営地を探す際にはネットで入念な下調べを行い、Googleストリートビューで現地確認し「イケる!」と思った場所で野宿してきました。が、イケると判断した場所で野良犬に吠えられたり変な人に遭遇したりしたこともあり、安心安全な寝床を手に入れるのが一番だと思うようになりました。
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僕はビビリなのでキャンプはしても野宿はもうしないと思いますw
野営場所はキャンプ場へ。安眠に勝るものは無い
③野宿するなら自己開示を
夜中自分の生活エリアの中に突如怪しげなテントが立っていたら・・・中から人が出てきたら・・・遍路を経験するまでの僕ならチビる事案です。いや今でもちょっと怖いなー。
一般人にとって、野宿者は正体不明の不審者でしかありません。地域の方が警戒するのもよーくわかります。むしろ当然ですね。
お遍路0日の野宿
この日、上板町スポーツ公園という過去の野営訓練中最高の環境で野営しました。
水もトイレも明かりもすべて手に入る素敵な場所でした。他人から見たら危険人物な野宿者になった僕ですが、野宿者の僕から見たら、通行する人が怖い!ウェーイwwwwってされるかもしれませんからねー。
ですから野宿者は人に会わないように人気のない場所に潜む。
それに偶然出会った人はめっちゃ怖い。
お互い緊迫した空気に包まれて、出会っっちゃった人が足早に去っていくんですよ。
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その恐怖心を和らげるために、僕はこういうことやってます!といった自己開示が必要になると思います。
お遍路中に公園に野宿した時の話
ここはどうやら散歩コースになっているようで、テントのそばを通るときに「あぁお遍路さんかー」といった声が聞こえてきます。
公園内にカブとテントがあるので不審だったのでしょう、遍路だとわかると安心していたようです。今回はカブに取り付けていた山谷袋の「同行二人」と菅笠が功を奏しました。
やはり野宿する際には、やはり不信感を与えないように自己開示を充分にすることが大切ですね。また、積極的に話しかけて自己開示するのも大切だと思います。
今回はぼーっとしていたのでコミュニケーションが取れませんでしたが、顔を見せて、素性を伝えることでより深く安心して頂けるように思います。「おはようございます!」と精一杯爽やかに見えるであろう笑顔をひねり出してご挨拶し「お遍路をしている者ですが、こちらで野宿させて頂きました(ニッコリ)」みたいに先制攻撃で自己開示しておけば自然と「そうかねーご苦労さん!どっから来なすった?」みたいに、友好的な対応をしてくださる方(早朝はお爺ちゃんお婆ちゃんばかり)でしたよ。
地域の理解あっての野宿ですので、後に続く方のためにもそのあたりはしっかりしておきたいところですなー。
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テントに「同行二人」が見えるよう白衣をかけておいたり菅笠を括り付けたりして遠目からでも遍路であることがアピールできればベターですね。
遍路をしていることを視覚・口頭で明確に伝達できるようにしておく
④野宿は人里から離れるべし
0日目の体験から、野宿する場合は夜間の人の出入りが少ない場所が良いと思いました。僕は初日に町中の公園で野宿したために、夜散歩をしている人に不審者として見られましたし、散歩している人が害を為す存在のように見えてしまいました。思い返すと、初日に一睡もできなかったのはお遍路を始める興奮とともに恐怖心や不安があったのだと思えます。
野宿の心得
野宿の心得、それは闇に紛れて生きる!ということっぽいです。
「野宿しているヤツは危険人物ゥ!」だと思われがち。僕も野宿前ならそんなテントに近寄りません。怖すぎ!
夜は人知れずテントを張り、朝霧の中撤去して去っていく。そこにいた形跡を何も残さないのがプロらしいのです。
それ以降の野営は、キャンプ場を中心に小高い場所にある大きな公園やお遍路さんの野宿ポイントに泊まりました。いずれも人の往来が無い場所であり、幾人もの先人が利用しているという実績が大きな安心感になったように思います。
歩き遍路さんは遍路用宿泊ポイントに辿りつけない場合に仕方なく町中の公園に潜んだりするわけですが、高機動力のチャリやバイクの場合はわざわざリスキーな場所にテント設営する必要はありません。
安眠できる環境、しつこいようですがホント大切ですよ。
人里を離れると野犬などの動物と遭遇することもありますが、テント内なら大丈夫との情報も聞いています。むやみに襲ってこないことは僕も体験していますが、夜闇に溶け込んでいる獣はマジ怖いのでやっぱり遍路宿泊ポイントかキャンプ場がベストですね。
テントに入れば何とかなる
野宿の場合、夕闇の中見知らぬ土地で一夜を過ごす不安がつきまといますが、テントの中に入ってしまえば我が家と同じ安息感を得られます。
テントはATフィールド
暗闇での野営は特訓の成果で何とかなるのですが、安全なキャンプ場ではなく、それも国道沿いという晒し者スポット。変な人が近寄ってくるかもしれない、野犬や猿が襲ってくるかもしれない、そんな落ち着かない気持ちでしたが、テントに入ると気持ちが和らぐ不思議。
どうにもならない時にはさっさとテントに入って寛ぐのが一番なのですね。
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テントは絶対不可侵領域であり心の壁なのです。
また、直接攻撃を受けないかぎりはテントから出るべきでは無いように思います。
最終日の恐怖体験
雨の四阿(あずまや)内にテントを設営しゴロゴロしていたときのこと。
夜10時を回っているのに足音が近づいてくるではありませんか・・・
こんな雨の夜に何者・・・と戦慄しながら耳をそばだてる僕。足音は四阿内に入り、テントから5メートルほど離れたベンチ付近で途絶えました。
テントから出て様子を伺うことも考えましたが、相手の出方を待つことに。
夕暮れ、朝方なら出て行って自己開示するのがベストだと思うのです。だってその時間帯に活動するのは普通の人だから。
ですが今回は夜中、それも雨。そんななか散歩とかしちゃうのはちょっと普通じゃないでしょ!さらにテントに近づいてくるようなら・・・腹を括ろう
今でこそスーパーインドア脂肪マンですが、高校では趣味筋トレなガチムチラガーマンだった僕。いざとなったらタックルして逃走や!
イメージトレーニングをしながら動向を伺います。
20分ほど経過した頃、舌打ちのような音と共に立ち上がり、去っていく足音・・・
ここで僕がとった行動は、不審者に対してはテント内で待機し様子を伺うこと。
こちらがむやみに姿を現し、手の内を見せる必要はありません。
相手もこちらの状況が見えなければ体格、装備品、行動を想像することしかできず、緊張を誘い、不安を誘発します。
これは自然界でも同様みたいで、以下は野営地にしようと思った公園で野犬に遭遇したときのこと。
街頭の無い暗闇の公園でカブのエンジンをかけてライト代わりにしながらネット検索していたときのことだ。誰も居ない僕一人の快適な公園だったはずの茂みから野犬が吠えた。
ヤバイヤバイ襲われるゥ!!!!
その声にビビりまくってアタフタと逃走したのだ。
だがよく考えてみると、野犬は自分の存在と縄張りであることを、ただ一声、たった一声発することで侵入者である僕に警告したのだ。いきなりオラついて襲ってくることは無い。その忠告を聞き入れて退散した僕と野犬はお互い無駄な争いをすることなく平和的に解決させたわけだ。
逃走しながらこんなことを考え、自然界の掟のようなものを垣間見た気になった。
自然界で研鑽された生きるための手法・・・姿を見せることなく主張するのが賢いのだと思います。
あなたが戦闘民族なら威嚇に出て行くのも良いのかもしれませんが、それでもやはり最後まで身を潜めるのがトラブルになりにくいと思います。
・・・思い出したら怖くなってきました。町中の野宿はもうこりごりです。
野宿するなら腹くくれ
⑤テントはしっかりと吟味すべし
テントとは不思議なもので、中に入ると我が家に帰ってきたような安心感があります。薄布一枚の仕切りが見知らぬ土地の訳わからん場所にいるという不安やストレスを緩和してくれるんですよ。
どんなにまわりの景色が変わってもテント内は変わらない見慣れた景色になるからでしょうねー。
その自分を守ってくれるテントですが、これはしっかりと吟味して自分に合ったものを買わなければツライ旅になります。
テント購入時にはインナーの幅をチェック
身長が高い方にとって由々しき問題になるのがテントのインナー幅。上の図のようにカタログ表示の幅いっぱいに寝転ぶことができるわけでなく小さく感じます。
身長170センチほどの僕は全長200センチのインナーテントでジャストサイズ。それ以上の身長では対角線上に寝ることになりそうですが、ソロの場合はそれによる弊害は無いと思います。複数人が川の字になって寝る場合は要注意ですね。
その他いくつか注意点がありますが、バンドックのツーリングテントを購入した際に記事化していますのでご参考にどうぞ。そうそう、バンドックのテント、マジで最高でした。
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以上、思いついた野営重要事項でした
いかがでしたか?想像以上に野宿ってヤバイな・・・と思って頂ければ幸いです。
野営をしたのは10日に満たないと思いますがこれだけの体験をしちゃってます。
もちろん何事もなく終える方もいるでしょうが、野宿には高いリスクがあることも覚えておけばお遍路旅が何事もなく楽しい思い出になると思います。
恐怖体験も経験だぜー!って方は、本当気を付けてね・・・