初の善根宿で無償の愛に触れ、薄汚れた心が浄化された@ホンダです。
普段飲まない日本酒、それも高知が誇る土佐鶴の旨さに目覚め、調子に乗ってグビグビ飲んだため出発時間ギリギリまで寝てしまい、宿のお母さんに起こして頂くという大失態を犯してしまいました・・・。やらかした!
二日酔いの頭をフル回転させてお礼を伝え出発しようとすると、お父さんから菩薩のような笑顔で呼び止められて記念の写真を撮ることに。
なぜ一緒に写真を撮らなかったのか・・・最高にアホでした。
お遍路者のマナーの問題で善根宿の運営に支障が出るような話も聞きかじっていましたが、この現代で素性も分からない見知らぬ人間を笑顔で受け入れてくれる方を悲しませるような真似はすべきでないですよね。
お遍路旅の終盤で大変貴重な体験をすることができました。紹介してくれたTwitterのアニキにも感謝!!
本日の動き
実感はありませんが気づけば残すところ4寺となってしまいました。1つの寺に1時間以上滞在するという驚異的なスローペースでまったり進んできたこの旅も最終局面を迎えています。
88番札所は山深い場所にあるため、ギリギリで参拝しても野営地に困ります。とりあえず87番まで打ち、時間に余裕があるようなら88番を検討したいと思います。
それでは出発ー!
84番札所 屋島寺
屋島寺までの道のり
屋島寺へは「屋島ドライブウェイ」を経由することでダイレクトアクセスできるのですが、料金所にて原付NGを言い渡されましたので、屋島小学校の北側にある舗装済み登山道から侵入することに。
偶然にも原付でやってきた地元のオジサマと遭遇し一緒に登ることになりました。何でも健康のために屋島の上まで毎日のように登っているそうです。
オジサマはお遍路経験もあるそうで、この道にある弘法大師ゆかりのポイントをたくさん教えてくれました。
これは弘法大師の加持水で、ここの水を使って祈祷したそうです。
説明しながらゆうゆうと歩いて行くオジサマとぜえぜえ言いながら付いて行く僕。心肺機能の格差を強く感じます。やっぱり運動はしなきゃですね・・・。
屋島ってこのような岩盤で出来ているんですねー。20cmほどのプレートが規則正しく積み重なっています。日本じゃないみたいな風景ですよコレ。
登坂道は結構な急坂なので、スローペースで楽しみながら登っていくもの良さそうです。
屋島寺
15~20分ほど歩くと到着です。二日酔いの身体にこの運動はキツい・・・。
オジサマは屋島をぐるりと回って帰るそうなのでここでお別れ。どうもありがとうございましたー!
この味出まくりの本堂は鎌倉時代後期に建てられたもので、国の重要文化財。80以上の霊場をじっくり見てきましたが、本堂から放たれる圧倒的な霊圧は5本の指に入るのではないでしょうか。
当時はさぞきらびやかだったのでしょう。風化はそのまま味になっています。イイね!
で、本堂横におる可愛らしいコイツは何者なんですかね?
蓑山(みのやま)大明神は、四国狸の総大将で日本三大狸の一体である「太三郎狸」を祀っているそうです。案内板にはこうありました。
屋島の太三郎狸は、佐渡の団三郎狸、淡路の芝右衛門狸と共に日本三大狸に称されている。
太三郎狸は屋島寺本尊 十一面千手観音の御申狸&数多くの善行をつんだため、土地の地主の神として大切に祭られている。
ほうほう、これは良い狸!さらには一夫一婦の禊も固く家庭円満なパーフェクト狸なのだそうです。平成狸合戦ぽんぽこにも当然出演しています。
手水の水をじょぼじょぼしているのも狸さんですね。
せっかくなので屋島を一周
屋島寺は屋島の観光スポットの一つといった様相で、お寺から出ると屋島を一周できる歩道がありました。時間は充分ありますので名物「イイダコのおでん」にむしゃぶりつきながら一周りして観光してくることに。
うわこれめっちゃカッコイイ!
えっ?瓦?とおもったらどうも違うみたい。
Wikiったところ、
かわらけ投げ(かわらけなげ、土器投げ、瓦投げ)は、厄よけなどの願いを掛けて、高い場所から素焼きや日干しの土器の酒杯や皿を投げる遊びである。
なのだそうですが、ここ屋島ではちょっと違っていて
屋島の合戦に勝った源氏が陣笠を投げて勝どきをあげた古事にならい、素焼きのかわらけを飛ばす「かわらけ投げ」
を示すようです。
義経や与一がやったように、勝利の雄叫びを上げながら遠投を楽しむのもオツなものですねー。
屋島の獅子の霊巌展望台より。天候がアレなのでアレですが、瀬戸内海の小島を楽しめる名所のようです。
想像以上に見どころのある屋島。お遍路さんっぽい人は観光していなかったのですが、みなさん割とすぐに次に向かってしまうんですね・・・もったいない。
85番札所 八栗寺
屋島から下り、八栗寺のある五剣山へ。Googleナビはとんでもない山奥を指してしまったので、とりあえず八栗ケーブルへ向かうことにします。
道中
図々しくもバイクでの行き方を係員さんに尋ねたところ丁寧に教えて頂きました。乗客でもないのにすみません。
この旅でいくつかのケーブル乗り場を見てきましたが、下からの乗り場を見たのは初。
ケーブルカーも楽しそうですねー。我慢我慢!
八栗ケーブルさんの話によると、西から凸するこのルートは車両進入禁止だそうで、またしても徒歩で山登りをすることになります。持ってくれよオラのカラダ・・・
こういう造りの社、大好物です。のれん?が大変よろしゅうございますな。
屋島寺への参拝道より多少マシな気はしますが、それでも残り少なくなったHPを削り取るには充分な坂道をヒイコラと登っていきます。
先を歩いていた地元のお婆ちゃん二人組に追いつきご挨拶。キツいですねーと話しかけたところ、もう少しだから頑張れと声援を頂きました。よし頑張ろう!
キツい坂道を登り終えると眼前に広がる高松の町並み。そしてお大師様が迎えてくれました。
八栗寺
45番札所の岩屋寺を髣髴とさせるイカツイ感じ。霊場感パネェ・・・
質実剛健といった様相を呈しています。本当シブいわー。
どっしりとした風格のあるお堂です。
聖天堂には歓喜天のほか、78番札所郷照寺の淡島堂をつくった以空上人も祭られているとのこと。
お肉や穀物を食べず、木の実や草などを食料として修行し、霊験あらたかな僧として知られたそうです。頑張り屋さんだったんですねー。
本堂裏手の石段を登って行くと中将坊堂があります。中将坊は讃岐三大天狗の一体で、除災招福や健脚などのご利益があるそうです。81番札所 白峯寺で出会った日本八大天狗の相模坊さんといい、この地方には天狗伝説が多いですねー。
ちなみに讃岐三大天狗、残りの2体は金毘羅山の金剛坊、白峰山の相模坊を指すのだとか。
中将坊さんは皆の願いを叶えるためにこの下駄を履いて夜中に奔走するのだそうです。なんだか人間臭くて可愛らしいなww
頑張れ中将坊さん!
木と緑のナチュラルカラー全開な山寺だと朱塗りの建物はインパクト絶大です。良いアクセントだ。
85箇所のお寺をめぐってきましたが、やはり山寺が面白い!地形を活かした境内にはそれぞれ特色があり楽しませてくれます。行程はキツいところが多いですが、頑張って参拝すれば得るものがありますね。
二連続の運動不足殺しの坂で足が悲鳴をあげています。もうホント疲れた・・・
トボトボと下山し、カブ移動の準備をしていると行きがけに出会ったお婆ちゃん二人組に再度遭遇!飲まなかったからとお茶を頂きました。こういう心遣いが心に染み入ります。
カブでの移動中は完全に肉体疲労回復タイム。ライディングポジションは楽ちん、ゲルシートで尻痛は軽減、防風ウェアで寒くもない。やっぱりカブは最高なんじゃ!
86番札所 志度寺
五剣山を下りさぬき市市街地にある志度寺へ到着。
志度寺の手前にある敷地内に平賀源内のお墓が!平賀源内って讃岐の人だったのか・・・
思わぬ有名人に遭遇?してテンション上がります。
はぁ・・・仁王門って本当カッコイイ。仁王さんは運慶の作で国の重要文化財。鎌倉時代の有名仏師が作った仁王様がそのまま現存しているって、ロマンですねー!
町中のお寺なのですが、境内はちょっとした林になっていて、木々の間に伸びる参道を進んで行きます。
朱塗りの五重塔はやはり目を引きます。
藤原不比等「唐から送られた宝玉を竜神に奪われたでおじゃる・・・探しに行くでおじゃる」
純情可憐な志度の海女「どうされました?」
不比等「」ズキューン
-2人は恋仲に&一子房前誕生-
不比等「実はこんなことがあって・・・」カクカクジカジカ
海女「任せろ」ドボーン
-志度の海に潜り竜神とバトル-
海女「取り返したったけどもうダメぽ・・・」バタッ
というわけで、宝玉と引き換えに亡くなってしまったという悲しい伝説があるわけです。
なお成人し大臣となった一房は、行基を連れてここ志度を訪れ、千基の石塔を立てて母の冥福を祈ったのでありました。
ここで海女ちゃんは竜神さんとバトったわけですね。
藤原鎌足の息子である不比等、行基など歴史の教科書で知った人達。こんな人達がかつてこの地に立ちわちゃわちゃしていた事実・・・これをロマンと言わずして何というのか!?って感じです。熱い・・・熱いぜ志度!
本堂裏手には面白いものがたくさん!数十体の菩薩さまが地べたにずらりと座してます。
こちらの閻魔堂は必見!霊場屈指の閻魔像が見られます。
提灯が印象的なな大師堂と本堂は、渡り廊下で連結されて一つの長い棟になっています。
讃岐高松藩初代藩主である松平頼重により建立された本堂は国の重要文化財。江戸時代からのほころびが垣間見れる素晴らしい建造物です。
86ものお寺を見てきて正直見飽きて作業になっていた部分もあったのですが、やっぱりお寺は良いですな。逆打ちや区切り打ちをしたら新たな発見がありそう。
87番札所 長尾寺
本日最後のお寺、長尾寺。ですが・・・ここはお寺なんですよね?敷地のほとんどが駐車場なんですがそれは・・・
謎めいたお寺ですが、仁王門はやはり立派です。鐘楼門の機能美は素晴らしい!仁王さんまでついてくるなんて最高ですわ。
あの源義経のカノジョさんである静御前が出家して尼になったのがこのお寺。出家時に剃髪した髪がこの塚に納められているそうです。
霊場でよく見られるネットはやっぱり鳥よけなのでしょうねー。
どうしてこんな廊下に萌えるのか分かりませんが、この旅で覚醒してしまいましたw
大師堂の屋根にアンテナみたいなものが付いているのは珍しい気がします。仏塔に付いているのはよく見かけたのですが。
ついに87寺を制しました。残る1寺、そして結願は明日の楽しみにとっておきましょう。
お遍路最後の夜は・・・野宿しかないっしょ!
色々ありましたが、ついに最後の夜となりました。
最後の最後はお遍路の醍醐味、野宿をしておかないと勿体無い!ということで昨夜Twitter先輩から情報を頂いた亀鶴公園の四阿にチェックイン。亀鶴公園前休憩所、トイレは隣にあるし広いし屋根付きだし最高です。今夜の雨も怖くないッ!
雨が降ってくる前に近くにある「ツインパルながお」にて汗を流してテント設営しました。
初の野宿は徳島移動日。あの時は不安と期待で一睡も出来なかったなぁ。
今では不安は多少ありつつもしっかり睡眠を取ることができるようになりました。
夜中知らない土地、それも街灯の無い地域を走るのは怖かった・・・
旅の前半で日が落ちてからの野営地捜索は危険だということを知りました。
旅の後半までうまく野営地を探すことはできませんでしたが、後半の野営はスムーズになってきたように思います。
まだまだ野宿スキルは低いのですが、以前の超絶インドア人間がここまでできるようになったというのは大きな一歩。人間追い込まれたら何とかなるものですねー。
昨夜たらふく酒を頂いたので、結願前夜は好きなものを買い込んでささやかに祝うことにします。
炭水化物ばっかりだな・・・だから痩せんのか
雨の夜は静かに更けていきました。