みなさまは「魚梁瀬森林鉄道(やなせしんりんてつどう)」ってご存知でしょうか?
現在は廃止されて遺跡しか残っていませんが、重要文化財に認定されているそう!
さらにはその遺跡を車やバイクで走行できちゃうのです!
なんだかとっても面白そうなので、汽車になった気分で鉄道跡をカブでちょろちょろしてきました。
魚梁瀬森林鉄道とは
そもそも魚梁瀬森林鉄道って何ぞね?
魚梁瀬森林鉄道(やなせしんりんてつどう)は、かつて高知県にあった森林鉄道である。「日本三大美林」の一つといわれる魚梁瀬杉を運搬することを主目的として開業したが、陸上交通網が整備されつつあったことに加えて、魚梁瀬ダムの完成により軌道が水没したことから廃止となった。
1895年(明治28年)から1964年(昭和39年)まで、運搬だけでなく地域の足としても活躍した鉄道っぽいです。
1970年(昭和45年)の魚梁瀬ダム完成で一部湖の底に眠っているもよう。
林業技術史上重要な遺産であるトンネルや橋などの施設が「旧魚梁瀬森林鉄道施設」として重要文化財に指定された。森林鉄道の重文指定は初めてである。
数えてみると全国に49もの森林鉄道がありましたが、その中で唯一の重要文化財なんですね。
やっぱり魚梁瀬がナンバーワン!これは行くしかあるまい!!
魚梁瀬森林鉄道の重要文化財一覧
Googleのマイマップで作ってみました。というのも、公式は個別にしか表示されず分かりにくいこと。そして実はちょっと位置がずれていて迷ったところもありました。
その点この地図は実際に訪問して位置調整していますので、より精度が高いと自負しております(ドヤァ)
「Googleマイマップ」の使い方についてはググッて見て下さいませ。
それでは出発!!
魚梁瀬森林鉄道ツーリング開始
遺跡・・・正式には産業遺産というみたいですが、魚梁瀬森林鉄道の遺産には番号が振られていますので、その順番通りに探訪していきます。
Ⅰ エヤ隧道
まずは安田町にある第一番目の遺跡、エヤ隧道(ずいどう)を目指します。
高知市内から安田町に向かうと、この看板を目にします。
青い海と川と空がひろがる町。
何気ない田舎の日常。でもそれは
ここにある、ここだけの時の流れ。
豊かな自然と笑顔に誘われて
やすだじかんを感じてみませんか。
というコンセプトの「やすだじかん」
なのですが、せっかく来たので風景を楽しみながら散策しました。
安田川ほんとうにキレイな水です。
別の記事でご紹介しました通り、安田川の鮎は日本で2番目に美味で有名なんですよ。
県道12号線、Googleマップ上では馬路道と標記されている道を進んでいますが、右手側に石垣で組んだ細い道がずっと見えています。もともと線路だったのではないか?と思い、その道を進みます。
この先にぽっかりと穴があいているのが目視できました。あれっぽいぞー!
うおおお!トンネルやん!
綺麗な顔してるだろ・・・明治44年建造なんだぜ
明治の技術スゲー!ってなりました。それがそのまま残っているのも高評価です。
・・・だから重要文化財なのかー!
ちょ・・・怖いんですけど!!
コウモリとか猪といったクリーチャーには遭遇せず無事通過できました。
入り口の草も狩ってあるし、そういった手入れもされてるのかなー。
この右側の石垣は翼壁というそうで、トンネルの保護をしていたもよう。四角い石を斜めに積む「谷積み」という建築方法のようですね。
坑口アーチの頂部には五角形の盾形の要石が付けられています。
要石というのは、アーチの両側の力の持合う部分で、壁面から突き出していたり装飾的な彫刻が施されているのが普通のようです。トンネルなどのアーチ型建造物を見るときはココもチェックすると面白いかもですね。
またアーチの安定性はこの石が握っていて、これを抜き取るとアーチ自体が崩壊してしまうとのこと。すごく重要な石なんですね。
「何だよただのトンネルじゃんけ」と思われるなかれ!これが意外にも「なんかスゲー!!」ってなります。僕は何だかんだで15分くらい留まりました。
Ⅱ バンダ島隧道
エヤ隧道を後にして、2番目の隧道に向かいます。
完全に林道ですね。車のすれ違いは困難です。
山際にところどころ石組みが残っていて、昔の面影を見せてくれます。
足元に石や枝が転がっていますのでバイカーは要注意!
なにぃ~!このバンダさんはカブで通行できるじゃないですか!!
ここはなんだが守備力が高いですね。保存状態が良いのかもしれません。
ここは町道の一部として利用されているそうですので、クリーチャーはいないでしょう。
右に「Ⅱ」の文字が見えますでしょうか。これ、川下から2番目の隧道を意味するという意味なのだそうです。先ほどのエヤ隧道には「Ⅰ」の刻印があるんですよ。
明治44年に作られたものにのみ刻印されていて、それらが魚梁瀬森林鉄道の最古のものなんです。
動画も撮ってみました。ライトで照らせる幸せをかみしめて走行!
初の隧道バイク通行、ドキドキしながらも楽しめました。
Ⅲ オオムカエ隧道
ここにはⅢの刻印があります。
明神口橋
オオムカエ隧道を抜けるとすぐに鉄骨が目に飛び込んできます。
ここ数時間緑ばかり見てきたので新鮮!!
森林とのギャップでものすごくかっこ良いです。昭和4年(1929)に木造の橋からバージョンアップされたそう。
軽自動車すら通行できるか怪しいレベルの道幅を通行。景色と鉄橋の機能美に酔いしれています。
ファッ!?森が深すぎじゃろ・・・こんな道を通ってきたのか・・・
なんという美しさ・・・
仁淀川の美しさを讃えた「仁淀ブルー」という言葉がありますが、それに全く負けていません!
安田川はもっとメジャーになるべきですね(確信)
橋を堪能し終えると迎えてくれる立ち入り禁止セット。
馬路道側からのアクセスのみ遮断しているようです。
というわけで引き返します。
車の轍もありますが、通行止めになる前のものではないかと思われます。くれぐれもご注意を!
公式サイトの軌道図を見ると、ちょっと違う感じです。何なんでしょうねこれ?
だいぶ天候が怪しくなってきました・・・
釜ヶ谷桟道
明神口橋から進んでいくと、赤い吊橋が出現します。
吊り橋のそばにある駐車場に車を停めて、この橋を渡りましょう。
そうすると対岸に明らかに岩壁とは異質な人工物が!
岩に侵入されてますね。後ろの岩と密着しているからこういうつくりなのか?
ここも元々木造の橋でしたが、機関車の導入に伴い昭和2年に石造りの橋になったそうです。こういうものが産業遺産というヤツなんですね。全く知りませんでした。
釜ヶ谷橋
鎌ヶ谷隧道あたりを通過すると小さな橋があります。
大正15年に出来た橋です。
上から見ると普通の道なのですが、下から見ると当時の様相をそのまま残しているんですね。
平瀬隧道
ここは分かりにくい!!進行方向からは高いフェンスで見えません。
フェンスを越えたら振り返って見てください。
うっ・・・整備されてない
出口が見えない・・・
怖すぎます(ヾノ・∀・`)ムリムリ
逆サイドに回ってみました。
時間切れで探索終了
夕闇の平瀬隧道が怖すぎてビビッたため小雨が降り出し薄暗く撮影が困難なためここで断念。
今日の収穫としては、隧道トンネル走行と赤い鉄橋!
鉄道とか興味ないのですが、隧道探索はなぜかテンション上がりました。
地図が曖昧だったため発見に時間がかかり、ここまでに4時間以上かかっています。
午前中からの散策がオススメですよ。
次回予告
第二回遠征に行って来ました。
今回以上に濃い散策・・・いやむしろ冒険!
» [カブでプチツー]魚梁瀬森林鉄道を再探検!馬路村~魚梁瀬ダムの遺跡道を走行
おまけ
このくらい上流になると結構大きな石がごろごろしています。
それはどの川も当然なのですが・・・特徴的なのが、石が真っ白なこと。
茶色っぽい岩とか赤茶けた岩がほぼ無いんですよ。不思議!
石造りの渋い橋。これもちょっとした遺産ですね。