昨夜はうたず餃子でほろ酔いになり、ネカフェで寝落ち。スマホ&モバイルバッテリーが充電できないまま朝を迎えてしまいました。ナンテコッタイ!
移動中はバイク電源から充電ができますが、お寺参拝中は事前に調べた見どころをスマホで確認したり写真を撮ったりするので退出時間ギリギリまで充電してから出発することにします。
本日の動き
基本的には町中の移動になります。小山を登ったりすることがあるようですが、まず問題ないでしょう。
いつもどおり行けるところまで行きたいと思います。
充電に不安を抱えながら出発ー!
78番札所 郷照寺
郷照寺の山門をバイクでくぐり駐車場へ。霊場初の体験です。
「庚申信仰」を伝えるお堂で、本尊には6本の手をもつ青面金剛と「見ざる、言わざる、聞かざる」で有名なお猿さんが祀られているそうです。
庚申信仰・・・耳慣れない言葉ですなー。
庚申信仰(こうしんしんこう)とは、仏教、特に密教・神道・修験道・呪術的な医学や、日本の民間のさまざまな信仰や習俗などが複雑に絡み合った複合信仰である。
平安時代以前からの風習だったようで、庚申の定めるケの日に眠らずに過ごすとか結婚しないとか、そういった禁忌事項があったようです。
んで、干支の「申」にちなんで猿が庚申の使いとされたとのこと。
深く知ればシンプルなお堂も興味深いですねー。
何だよポックリって演技でもナイ・・・と思いましたが、楽に死ねるよう願掛けするお地蔵様のようです。
確かに安らかに逝けるのは幸せなことですね。
本堂の下から見上げると、それは見事なレリーフが。絵でなく立体的な造形となっているものは霊場初!
ちなみに大師堂にもバッチリ飾られていますので要チェックですぞ。
大師堂は厄除け大師ということで、本堂よりリッチな造りでした。いい感じです。
大師堂の左手には地下への階段が。面白そう!
一万以上のお地蔵さまが祀られているそうで、かなりのインパクト。47番札所の八坂寺を思い出します。
江戸時代初期に病気が蔓延し、出産後に体調が悪化する災いが続いたそうで、高野山の以空上人(いくうしょうにん)に相談したところ、淡島明神堂を建立し安産・健康・良縁などを請願されたそうです。
おおっでっかい池ー!各地の景勝などを再現した庭園だそうで、参拝ついでにこういう風流で美しいものを楽しむことができるのもお寺の良い所ですね。
79番札所 天皇寺
天皇寺に向かったつもりが白峰宮というところにたどり着いてしまったようです。
ちなみに鳥居が3つ合体したようなコレは「三輪鳥居」という珍しいものだそう。
天皇寺は白峰宮の右隣。
この天皇寺、崇徳天皇を祀る白峰宮に隣接する別当寺のようです。
白峰宮と天皇寺を隔てる門ですが、見たことのない作りです。激レア。
教会を髣髴とさせる作りのお堂には地蔵菩薩が祀られていました。何かお寺っぽくない不思議な場所ですよこのお寺は。
白峰宮
どちらかといえばこの白峰宮がメインであることは否めません。天皇寺は付属のお寺だからねしょうがないね。
神社の拝むところは拝殿(はいでん)と言います。お寺をぐるっと回ってみると、拝殿の後ろに神様が祀られている本殿があるんです。ついでに拝殿と本殿をつなぐ建物は幣殿なんですよ。
50kg以上ありそうな大きな石。力比べ競争に使用された石とあります。
強い(確信)
お寺の右隣にある池は弥蘇場の泉と言われていて、日本武尊(やまとたけるのみこと)に関連する伝承が残っています。
南海で暴れていた悪魚を退治に向かった讃留霊皇子(さるれおうじ)と80人(88人とも)の勇者が悪魚の毒に苦しんだ。この泉の水を汲んだ童子が勇者達に水を飲ませると、たちまち蘇った。そこで八十蘇場の清水と呼ばれるようになった。
今となってはちょっとゴックンできそうにありませんが、由緒正しき泉なんですね。
80番札所 国分寺
ついに80番まで回ってきました!残すところあと8寺なのか・・・
なんと奈良時代から現存する四国最古の鐘が現役でした!
釣鐘を冠って現れた大蛇を退治してこのお寺に奉納したとか、この鐘を持ち帰った藩主のまわりで怪異が起こったりしたという伝承も残っています。
なにこれ?
松の葉が密集して鳥の巣みたいになってます。
奈良時代はこの石の上にでっかいお寺が建っていたんですねー。ロマンを感じます。
時代の粋を凝縮してつくられたのであろう国分寺、とってもいい感じ。
鎌倉時代、創建時の本堂の跡に建てられた本堂は国の重要文化財。
「ほーん」で終わってしまいがちですが、何気に鎌倉時代から存在し続けるって凄いことですよね。
これはキマシタわー!
弘法大師が天から授けられたこの木から、ご本尊の千手観音像の修復をしたという謂れがあるそうです。
そしてこの福龍は御衣木(みそぎ)といわれ、龍の形で現存しているわけですよ。
このうねり具合、苔むしっぷり、龍に見立てるセンス、もう最高にクールじゃないですか!
納経所と一体化した大師堂もいい感じですよ。
福龍の霊圧にメロメロになった僕、納経所で福龍のお守りを買いましたがコレジャナイ感が・・・
木片を加工したものとか、そういった霊木に絡めたアイテム開発を期待してたのにー
81番札所 白峯寺
白峰山の山腹にある白峯寺へは、さほどキツくないがダラダラと長い登坂道を進んでいきます。
重積載のカブですが、すんなりと到着することができました。たくさん山道を走って経験値を得たから、僕もカブもレベルアップしているのかも。
美しく紅葉した紅葉とのマッチングが素晴らしい!お遍路さんが何人もここで写真を撮っていました。
納経所も兼ねる護摩堂。窓の形とか超カッコイイ!もうここが本堂でいいよってくらいハイクオリティです。
相模坊大権現が祀られている社。天狗の像があるってことは、相模坊ちゃんは天狗なんでしょうねー。
いわく、相模の国(神奈川県)大山の大行者で、後にこの白峯山に入山し、山伏のリーダーに就任したようです。日本八大天狗の一人?でもあり白峰山と崇徳天皇の守護神としても有名だそう。
鼻の長い天狗と烏天狗、もともと同じものを指すのか全く違うもの?
ちょっと調べた感じだと、鼻の長い天狗は良くない子、烏天狗は信仰の対象であるようです。
この社には白峯大権現のほか、十一面観音、崇徳天皇も祀られているようで、扁額が掲げられていました。
イタチとかうさぎとか獅子っぽい生き物の装飾が屋根の下にあります。天狗を祀っているからその眷属みたいなものが守っているのでしょうか。
ウッディな色合いの大師堂には紅葉の赤が映えますね。山寺参拝は紅葉の季節とか桜の季節が一番堪能できそうな気がします。
石段昇降運動で疲れがマッハですが、やっぱり山寺はイケてます。この旅で山寺フェチになりますた。
82番札所 根香寺
白峰寺のある白峰山からさらに奥深く進んでいきます。緩やかなアップダウンを繰り返し根香寺へ。
大きな仁王門の先は深い緑に包まれています。こういう感じ大好物!
実はこのおじさん、役小角(えんのおずぬ)とか役行者(えんのぎょうじゃ)と言われる修験道の開祖様。56番札所の泰山寺では神変大菩薩(じんべんだいぼさつ)として祀られてましたねー。
ゴブリンみたいなのは前鬼・後鬼と呼ばれ、彼が使役する鬼神なのだそうです。パネェ!
天を見上げているのか、ちょっと間抜けなお顔です。
こういった雰囲気は霊場初かも。
正面に見えている建物が本堂ですが直進できません。左手から回廊を進んでいきます。
万体地蔵群に見守られながら粛々と進んでいくイメージ。障子って今考えるとよく出来てるな~。日本の叡智ですわ。
このちょっと賑やかな雰囲気、いいですよね。
今から400年ほど前に、このあたりで悪さをしていた方がこちら。なお弓の名手山田蔵人高清さんに退治されたもよう。
こういうロマンあふれる伝説大好きです。
83番札所 一宮寺
山を下り町中のお寺、一宮寺へ到着。ちなみに「いちのみやじ」といいます。高知市民は「いっくじ」と読んでしまうんですよねーこれ。
こんな感じで、いかにも町中のお寺って様相。綺麗に整備されています。
手水も凝ってますね。水脈を掘り当てることで有名なお大師様の手から水を出すのはウイットに富んでいる感じです。
じっくり足元を見てみると、敷かれている石に模様が刻まれています。これも凝ってますねー。
なにやら物騒な名前ですが、中に納められているのは薬師如来。ここに頭を入れると地獄の釜の音が聞こえ、悪人であれば石の扉が閉まり頭が抜けなくなるという伝説が残っているようです。くわばらくわばら・・・
本日のお宿は善根宿
この一宮寺で、Twitterで知り合ったお遍路の先輩にお会いすることができ、その方のご紹介で善根宿なるところに泊めて頂くことになりました。
善根宿とは?
修行僧や遍路、貧しい旅人などを無料で宿泊させる宿。
何となく僕の中ではしっかりした目的を持っている方=歩き遍路さん専用のお宿という認識でしたので、一切立ち寄ること無くスルーしてきたわけです。
旅の終盤になってまさかの体験をすることになり、観光気分のバイク野郎だけどほんまにええんか?という思いでしたが、お言葉に甘えることにしました。まあ貧しい旅人だからね・・・一回くらい許されるよね・・・
善根宿に到着し、オーナーさんにご挨拶。お話好きで世話好き、人柄の良さがにじみ出る可愛らしいお母さんでした。
善根宿のお母さん超いい人!
本日の晩御飯です pic.twitter.com/G77WtmDqwj
— ホンダ芭蕉 (@hondabasho) 2015, 11月 6
善根宿ではTwitter先輩も合流し、晩ご飯をごちそうして頂いちゃいました!ありがてぇ・・・ありがてぇ・・・
そのうち善根宿のお父さん(菩薩様のような笑顔が印象的)も顔を出して下さり、3人でささやかな宴会を楽しみます。いやぁ久しぶりに人とがっつりお話し、楽しい夜を過ごしました。
そしてこれまた久しぶりに暖かな布団・・・
ネカフェではブランケット、野営では寝袋ですから、布団の快適さが身に沁みますよ、ええ。