昨晩は野宿場所を失い、ただ一人夜闇に彷徨い、明かり一つない極細のくねくね道を半泣きで走った@ホンダです。
見知らぬ土地で露頭に迷うことの恐ろしさ・・・今思い出しても身震いします。寝床は明るいうちに目視確認、これ重要!!

本日は21番札所の太龍寺からスタートです。このお寺は標高500mの位置にあり、「一に焼山、二にお鶴、三に太龍寺」といわれるほどの難所とのこと。

ですが、現在は昨日お風呂に立ち寄った「みちの駅そわか」から太龍寺直通のロープウェイ(往復2,470円)が運行しています。お時間わずか10分で到着ですよ!すんげー。
さらに西日本最長とのことで、さぞ素晴らしい絶景を堪能できることでしょう。じゅるり。

が!

僕はコイツと一緒に旅をするんです
僕はコイツと一緒に旅をするんです

一の焼山先輩、二のお鶴ちゃんに打ち勝った50ccのこの子なら、太龍くんも楽勝っすよ!
ということで、北から川沿いをぐるりと回って太龍寺に乗り込むことにしましょう。
よっしゃ逝くでぇー!

朝から暖かくめっちゃ気持ちいい~
朝から暖かくめっちゃ気持ちいい~

前日の夜に起こった恐怖体験を全てかき消すような晴れ渡る晴天!
絶好のツーリング日和です。

21番札所 太龍寺への道のり

太龍寺へのルートもやはり細道
太龍寺へのルートもやはり細道

太龍寺へ車やバイクでアクセスするには、他の山寺がそうであったように車1台でいっぱいいっぱいな細い道を進んでいきます。

ある程度進んでいくと、車が旋回できるほどのスペースが現れます。そこにはこんな看板が。

ここから駐車場まで約3km!お寺まで約1km!!
ここから駐車場まで約3km!お寺まで約1km!!

制限速度5km以下を厳守せよ!
制限速度5km以下を厳守せよ!

ここまでは2速20kmをキープしながら両足でキックして走行をサポートする方法で楽々登ってこれましたが、ここから先はかなりきつそうですね・・・

気合をを入れつつ慎重に進んでいくことにします。

ここからは1速でなければ登れない急坂ばかり。1速5キロをキープしながら、両足で歩くように蹴り出してエンジンの補助をして進みます。これ案外疲れるんですよ。バイクに乗りながら息を切らすってどういうこと・・・

また、とろとろ走っていると後ろに車やバイクがいるのか、どのくらい離れているのか、そして邪魔になっていないか、などなど後ろがめっちゃ気になります。バイクを停止させてしまうとそのまま熱ダレしてしまいそうな不安(感覚的にヤバイと感じるのです)があるので、できるだけ端に寄って抜き去ってもらうことしかできません。
・・・まあ車も時速5kmなので追いつかれることは無いでしょうが。

さらにはこんな難所も
さらにはこんな難所も

なんと車であれば切り返しが必要なくらいのヘアピンカーブがあります。僕は時速5キロのバイクでしたのでどこがその場所だったのか分からないくらいあっさりとクリア。初めて車に勝った記念すべき瞬間ですw

太龍寺の駐車場へ到着

広大な駐車場
広大な駐車場

もうやめて、カブのライフはゼロよ・・・と思ってからさらにしばらく急坂を登って行くとようやく駐車場に到着です。

そうそう、駐車場到着前にトラップがありました!
登る道と下る道の二手に分岐があるのです。
ここで下ってはいけません。そのまま下山しちゃいますw

大龍寺への道は引かぬ媚びぬ省みぬッ!ただひたすら登り切るだけでございます。

太龍寺へはここから徒歩・・・
太龍寺へはここから徒歩・・・

そしてさらに徒歩でこのきっつい坂を上がっていくわけですな・・・

オートバイは仁王門裏に駐輪場があります
オートバイは仁王門裏に駐輪場があります

キタ━(゚∀゚)━!
バイカーには特典あり!バイクでダイレクトアクセスすることができるんですやったー!
ですがうちのカブが真っ白に燃え尽きているので、もうしばらく駐車場を散策するとしますか。

龍山の湧水
龍山の湧水

なんでも、谷の水を循環させているそうで、蛇口を閉めてはならないそうです。綺麗な水でしたが飲めるのでしょうか?

駐車場にはトイレあり
駐車場にはトイレあり

トイレの壁には帰りのルートを示す看板が。駐車場手前の急坂で対向車に出会わないように配慮してあるのですねー。

ハチが多い気がするんですが
ハチが多い気がするんですが

駐車場、そして太龍寺にはハチが多いようで、看板で注意も呼びかけていました。ハチってバイクに寄ってきて離れないのでホント困ります。
http://supercub.xii.jp/customize/advantage/%e3%83%90%e3%82%a4%e3%82%af%e3%81%ae%e3%82%a8%e3%83%b3%e3%82%b8%e3%83%b3%e5%91%a8%e3%82%8a%e3%81%ab%e3%83%8f%e3%83%81%e3%82%84%e3%82%a2%e3%83%96%e3%81%8c%e5%af%84%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%8f%e3%82%8b/

ハッカ油アルコールスプレーの出番
ハッカ油アルコールスプレーの出番

こんな時のために用意しておいたハッカ油アルコールスプレー!これを身体やバイクに吹き付けておきます。

虫が嫌いなハッカ抽出のエキスと殺菌効果のあるアルコールのコラボレーションで、虫よけとしても殺虫剤としても使える優れもの!成分はアルコールとハッカ油、そして水だけなので人体に無害なのも良いんですよねー。野営時のテント内外で大活躍しています。
http://supercub.xii.jp/notes/lifememo/%e3%83%8f%e3%83%83%e3%82%ab%e6%b2%b9%e3%81%a8%e3%82%a2%e3%83%ab%e3%82%b3%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%81%a7%e4%bd%9c%e3%82%8b%e7%84%a1%e5%ae%b3%e3%81%aa%e6%bb%85%e8%8f%8c%ef%bc%86%e9%98%b2%e8%99%ab%e3%82%b9/

21番札所 太龍寺

半端ない急勾配を登って到着
半端ない急勾配を登って到着

ダレきったカブでの2足2輪走法で何とか到着。カブも僕もオーバーヒート気味です。よく頑張った!

太龍寺にも健脚わらじが!?
太龍寺にも健脚わらじが!?

仁王門の中に健脚わらじが奉納されています。カブのお守りにピッタリだと思い9番札所の法輪寺にて購入していたのですが、ハードな登坂のお寺で扱う健脚わらじなら買いでしょ!
ということで納経所で確認したところ、もう今は売っていないそう・・・残念。

ごっつい鐘楼門
ごっつい鐘楼門

鐘のところまで登らず下からそのまま打てる仕様
鐘のところまで登らず下からそのまま打てる仕様

僕はどうやら鐘を突く場所、鐘楼が好きなようです。思い起こせば小さいころから神社が遊び場で、よく鐘を突いて遊んでいました。ノスタルジーと建築美、機能美を感じます。

やっぱり山寺は趣深い(確信)
やっぱり山寺は趣深い(確信)

焼山寺、鶴林寺、そして太龍寺。とても良い感じな佇まいです。近所にあったら毎日行くレベル。

やっぱり気になるロープウェイ

ロープウェイ乗り場
ロープウェイ乗り場

太龍寺の本堂前にある石段を下るとロープウェイ乗り場がありましたのでチェックチェック。

待合室はおみやげ屋さんでもある
待合室はおみやげ屋さんでもある

お遍路関連のグッズ以外にも、この地にちなんだお茶やお漬物なども販売していました。

ロープウェイが来るまでは乗り場に入れません
ロープウェイが来るまでは乗り場に入れません

定期便は20分毎(毎時0・20・40分)に出ているそう。

なんとお接待を頂いた
なんとお接待を頂いた

不審者の如くウロウロして物色していると、爽やかなお兄さんが良かったらどうぞ、とお茶を勧めて下さいました。ろろろロープウェイには乗らないんですーと断りましたが、構いませんよーとのこと。ありがたい!

正確にはお茶ではなく椎茸などから抽出した出汁でした。これがまた旨い!階段昇降運動を繰り返した疲労困憊の肉体にスゥーッと染みこんでくる優しい味。お兄さんは、好き嫌いがあるので微妙なんですけどーとおっしゃっていましたが、僕にとってはハイポーションクラスの回復薬でした。

と、そこにロープウェイが到着
と、そこにロープウェイが到着

ぶおんぶおんという音を立てながらロープウェイがこちらに向かってきます。けっこうデカイ!さすがは20人乗りです。

待合所からガラス越しにパシャリ
待合所からガラス越しにパシャリ

こんな感じの乗り場です。当たり前ですが近代的!

このロープを伝ってやってきました
このロープを伝ってやってきました

標高500メートル上空からの景色はさぞ美しいのでしょうなー。西日本ナンバーワンの長さなので充分に満喫できそうです。いいなー

マジキチスポット 捨身ヶ嶽(しゃしんがたけ)

捨身ヶ嶽まで660メートル
捨身ヶ嶽まで660メートル

ロープウェイ乗り場から捨身ヶ嶽(しゃしんがたけ)という場所へ行けるようです。

■舎心ヶ嶽
弘法大師が、虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)の真言を100万遍唱えると超人的な記憶力がつくという「虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)」の修行をしたと伝えられる。舎心は「捨身」の意で、大師の気迫を感じさせる。

つまりどういうことだってばよ・・・

記憶力向上の修行を命をかけてやったってことかえ?

660メートルとちょっと遠いので悩みましたが、なだらかな下りのようなので行ってみることにします。

なだらかな下りと言ったな。あれは嘘だ
なだらかな下りと言ったな。あれは嘘だ

いつの間にか荒ぶる坂道じゃないですかーやだー
右側には各札所のご本尊らしき石仏が10メートルほどの間隔で88体並んでいるようです。
あと84体の仏様と出会わなければゴールできないんですね、と4番札所の大日如来様に問いかける・・・

岩清水ちょろちょろ
岩清水ちょろちょろ

風流じゃのお、と思いながら撮影。この後汗だくで水が飲みたくなるとはつゆ知らずのほほんと通り過ぎます。

あっ、ロープウェイ!ウェーイww
あっ、ロープウェイ!ウェーイww

ぐおんぐおんと上空を通過するロープウェイ!思わず忍びの者のごとく隠れてしまいました。なぜそんなことをしたのか分からない・・・

お大師様がお迎えに来られるポイント
お大師様がお迎えに来られるポイント

ここまでの道のりは相当キツイです!お遍路で体験したどの坂道や階段よりキッツイ!
肩で息をしている僕に、南無大師遍照金剛と唱えながら登る余裕は全くありません・・・
もう勘弁・・・早く到着させて・・・

もうごめんなさい!許してください!!
もうごめんなさい!許してください!!

200メートルを全力疾走したくらいゼエゼエ。来なければ良かったぜよ・・・

ゴゴゴゴーーーール!!
ゴゴゴゴーーーール!!

・・・・・・・・・

・・・つ い た !

やりました、やりましたよ、やってやりましたよー

88番の薬師如来ちゃんと喜びのハイタッチを交わす
88番の薬師如来ちゃんと喜びのハイタッチを交わす

運動不足の御仁は覚悟して進むべし、の捨身ヶ嶽。
大師も生死を賭して挑んだ修行の地、拝んでやりますか!

おっ、いたいた!
おっ、いたいた!

大師は何やら小高いところで修行をされているようです。どうやって行くのかな?

巨大な岩に打ち込まれた鎖・・・
巨大な岩に打ち込まれた鎖・・・

ここを登るのか・・・

ロッククライミングの要領でうんせうんせと登っていくようです。まさに修行!

超巨大な岩の上をガクブル状態で進んでいく
超巨大な岩の上をガクブル状態で進んでいく

岩の上に上がると、その先も岩。同じ岩。巨大な岩盤だったようです。
足場の悪い岩盤の上を注意深く進みます。

なんじゃあこりゃあ!!
なんじゃあこりゃあ!!

大師のそばまで来るとそれはもう凄まじいパノラマビューの絶景!
左端に小さく見える建造物がロープウェイ乗り場。そうとう山深く、そして高いところに立っています。

お大師様の目線
お大師様の目線

こんな場所で修行されていたのか・・・パネェ!

お大師様のポジションから岩場を下って先端に到着
お大師様のポジションから岩場を下って先端に到着

大師のように、僕も命がけで岩盤の端に移動し真下を撮影することにしました。
正直あまりオススメできません。今思うと本当危険だと思います。
それでも行くんじゃーって方は、荷物はお大師様に預けて身軽になり、風を感じたら身体を低くして岩につかまりながら進んでくださいねー。何かあったらマジで死んじゃうから・・・

岩盤の下は断崖絶壁
岩盤の下は断崖絶壁

先端には恐ろしくて立てず、しゃがみこんだまま撮影。
はるか下に巨木群が・・・どんだけ高いんじゃ!?
この風景、足だけでなく色々とすくみ上がりました(男子的な意味で)

お大師様ご尊顔
お大師様ご尊顔

後ろに見えるのはロープウェイのケーブルです。ロープウェイの売りの一つに、この「捨身ヶ嶽が見れますよー」があります。ということは、ここに立つとロープウェイ乗客に制覇したぞアピールをすることができるんですねー。

光学40倍ズームイン
光学40倍ズームイン

あっ、左のお爺ちゃんお婆ちゃんがこっち見てる!イエーイ!!
・・・まあお大師様を見てるわけですけどね。

マジキチスポット捨身ヶ嶽、いかがでしたか?

今回踏破したのは「南の捨身嶽」で、通りかかった歩き遍路さんによると捨身ヶ嶽は北にもあるのだそうです。あなたも来掛けに見たはずですよーと言われたのをこの記事を書きながら思い出し、写真を見直すと・・・

北の捨身殿
北の捨身殿

あった!!
どうやら仁王門をくぐってしばらく進んだところに入り口があったようです!
完全に忘れてたよ勿体無い・・・

おそらく南の捨身ヶ嶽とは違ったスペクタクルが待っていたことでしょう勿体無い・・・

聞くところによると、南の捨身ヶ嶽ほど険しい道ではなく、わりとすぐに到着できるそうですので太龍寺を訪れる方はぜひチェックしてくださいね!

太龍寺、ネタが多すぎてまだまだ書き足りませんが、また別の機会に語らせて頂きます。
そして後半へ

投稿者 ホンダ芭蕉

四国は高知、車社会の片田舎で訳あって原付バイクだけで暮らしてます。 カブ生活の魅力と困難、ふらりと立ち寄った寺社仏閣や田舎の癒しスポットなどをご紹介します。

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